東京都で風俗営業許可(1号)を取るには、まず物件の場所と申請する人が条件を満たしているかを確かめ、書類と図面をそろえて、お店の場所を管轄する警察署の生活安全課に申請します。警視庁の目安では、申請してから結果が出るまで55日以内(行政庁の休日を除く)かかり、書類と図面の準備を含めると、申請を決めてから開店まで3か月以上を見ておく必要があります。許可が出る前に営業すると無許可営業になります。
キャバクラ、ラウンジ、ホストクラブ、接待をするスナックを開くには、風俗営業の許可(1号)が必要です。この記事では、東京都で許可を取るまでの流れと、そろえる書類、かかる期間を順に説明します。自分で申請するか、専門家に頼むかを決めるときの目安にしてください。
申請の前に:物件と申請する人の条件
書類をそろえる前に、そもそも許可を受けられるかを確かめます。ここで引っかかると、どれだけ書類を整えても許可は出ません。
物件の条件
- 住居系の用途地域(東京都の「住居集合地域」)にないこと
- 学校・図書館・児童福祉施設・病院などから、決められた距離が離れていること
- 客室の広さや造りが基準に合うこと
こうした場所や造りの決まりは、物件の契約や内装工事の前に確かめるのが鉄則です。
申請する人の条件
次のような人は、許可を受けられません(主なもの)。会社で申請する場合は、役員全員が対象です。
- 破産して、まだ復権していない人
- 一定の罪で刑を受け、刑の執行が終わってから5年たっていない人
- 風俗営業の許可を取り消されて5年たっていない人
- 集団で、または繰り返し、暴力的な不法行為をするおそれのある人など
2025年の法改正で、この範囲は広がりました。親会社などが許可を取り消された会社や、処分を逃れるために許可証を返した人も対象です。
申請から許可までの流れ
- 物件と申請する人の条件を確かめる
- 書類と図面をそろえる
- 警察署に申請する:お店の場所を管轄する警察署の生活安全課に出します
- 審査と調査:警察が書類を審査し、お店の造りが図面どおりで基準に合っているかを確かめます
- 許可が出る:許可証が交付されます
料理やお酒を出すお店は、保健所の飲食店営業の許可も必要です。こちらは警察への申請と並行して進め、両方の許可がそろってから営業を始めます。申請してから許可が出るまでは、営業できません。許可の前に接待をして営業すると無許可営業になり、会社なら最大3億円の罰金の対象です。
そろえる書類
警視庁が案内している主な書類は次のとおりです。
どの場合も必要なもの
- 許可申請書
- 営業の方法を書いた書類
- 物件を使う権利があることを示す書類(賃貸借契約書の写し、使用承諾書など)
- お店の平面図と、周りの略図
個人で申請する場合
- 本籍の書かれた住民票の写し(外国籍の方は国籍の書かれたもの)
- 許可を受けられない人に当たらないことの誓約書
- 市区町村が出す身分証明書
会社で申請する場合
- 定款と登記事項証明書
- 許可を受けられない人に当たらないことの誓約書(2種類)
- 親会社など、法律で決められた関係にある会社を書いた書面
- 株主名簿の写し(株式会社の場合)
- 役員全員の、本籍の書かれた住民票の写しと身分証明書
お店の管理者の書類
お店ごとに、業務を管理する「管理者」を1人決めます。管理者についても、誓約書2種類、本籍の書かれた住民票の写し、身分証明書、写真2枚が必要です。
会社の書類は、2025年の法改正にあわせて増えています。古い情報のまま準備しないよう注意してください。
図面で求められること
1号のお店は、客室について次のような基準を満たす必要があります。図面には、これらが基準に合っていることがわかるように書き込みます。
- 客室の広さ:1室あたり16.5平方メートル以上(和室は9.5平方メートル以上)。客室が1室だけなら、広さの決まりはありません
- 見通し:客室の中に、見通しをさえぎる仕切りや設備がないこと
- 外から見えない:お店の外から客室の中が見えないこと
- 明るさ:客室の明るさが5ルクス以上であること
- 鍵:客室の出入口に鍵をつけないこと
- 装飾:風紀を乱すおそれのある写真や装飾がないこと
図面は、実際に店内を測って描きます。図面と実際の造りが違うと、調査のときに直しを求められます。
かかる期間と費用
期間
警視庁の目安では、申請してから結果が出るまで55日以内です。この55日には、土日・祝日など行政庁の休日は含まれないので、カレンダーでは2か月半ほどになります。審査の進み方は時期によって変わるため、目安より長くかかることもあります。
さらに、書類と図面の準備に時間がかかります。お店の状況によって変わりますが、申請を決めてから開店まで、3か月以上を見ておくと安心です。家賃が発生する時期と開店の時期のずれも、このつもりで計算しておきます。
費用
- 警察に納める申請手数料:24,000円(2店舗以上を同時に申請する場合、2店舗目からは1店舗15,400円)。ほかの場合の金額は、警視庁関係手数料条例の表に載っています
- 保健所に納める飲食店営業の許可の手数料:保健所によって異なります
- 専門家に頼む場合の報酬:当事務所の目安は料金のご案内をご覧ください
つまずきやすいところ
- 居抜き物件でも、許可は新しく取り直す:前のお店の物件を借りて別の人が営業するときは、新しく許可を取ります。前の許可を引き継げるのは、相続や会社の合併・分割で、公安委員会の承認を受けた場合に限られます。前と同じ造りでも、今の基準に合っているかを確かめ直す必要があります
- 管理者を決めていない:管理者はお店ごとに1人必要で、原則として、ほかのお店の管理者と兼ねることはできません
- 申請してから内装を変える:図面と違う造りになると、調査で引っかかります。図面と工事の内容は申請の前に固め、できあがったお店が申請した内容と同じになるようにします
- 開店日を先に決めてしまう:審査の期間は、こちらの都合では短くなりません。許可が出る前に開店の告知をしないようにします
自分で申請するか、専門家に頼むか
自分で申請することもできます。次のような場合は、自分で進めやすいはずです。
- 図面を描くこと(店内を測って、面積を計算すること)に慣れている
- 平日の昼間に、警察署や保健所に何度か足を運べる
- 開店まで時間に余裕がある
一方で、次のような場合は、専門家に任せたほうが早くて確実です。
- 物件の場所が許可を受けられる場所か、自信がない
- 開店の予定が決まっていて、やり直しをする余裕がない
- 会社で申請するため、役員の書類が多い
- お店の準備に集中したい
代表自身も長年、夜のお店で働いてきました。現場での経験を生かし、物件の事前確認から許可・届出、開店後の変更手続きまでサポートします。詳しくはごあいさつをご覧ください。料金の目安は料金のご案内、ご相談はこの記事の下のお問い合わせからどうぞ。
参考(法令・公的機関の情報)
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