亡くなった直後の手続き
家族が亡くなると、葬儀の費用をはじめ、思いがけない出費が重なります。一方で、亡くなった方が加入していた健康保険や年金から、遺族が受け取れるお金もあります。
ただし、これらは原則として請求手続きが必要です。知らないまま期限が過ぎてしまうこともあります。この記事では、家族が亡くなったときに受け取れる可能性のあるお金をまとめます。
| お金 | 出どころ | 主な対象 | 時効の目安 |
|---|---|---|---|
| 葬祭費 | 国民健康保険・後期高齢者医療制度 | 葬儀を行った人 | 2年 |
| 埋葬料・埋葬費 | 会社員などの健康保険 | 生計を維持されていた人など | 2年 |
| 高額療養費 | 加入していた健康保険 | 相続人など(加入していた保険による) | 2年 |
| 未支給年金 | 国民年金・厚生年金 | 生計を同じくしていた遺族 | 5年 |
| 遺族基礎年金・遺族厚生年金 | 国民年金・厚生年金 | 一定の遺族 | 5年 |
| 寡婦年金 | 国民年金 | 一定の条件を満たす妻 | 原則5年 |
| 死亡一時金 | 国民年金 | 生計を同じくしていた遺族 | 2年 |
期限の数え始め(亡くなった日の翌日、葬儀を行った日の翌日など)は、それぞれ異なります。どれが対象になるかは、亡くなった方の加入していた制度や、遺族の状況によって変わります。
亡くなった方が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、葬儀を行った人(喪主など)に「葬祭費」が支給されます。金額は市区町村などによって異なり、たとえば千代田区の国民健康保険では7万円です。
請求できるのは、葬儀を行ってから2年までです。申請先は、亡くなった方が住んでいた市区町村の窓口です。
亡くなった方が会社員などで、勤務先の健康保険に加入していた場合は、「埋葬料」が支給されます。協会けんぽの場合、埋葬料は5万円です。
埋葬料を受け取れるのは、亡くなった方に生計の一部でも維持されていた人です。そのような人がいない場合は、実際に埋葬を行った人に、5万円の範囲内で実際にかかった費用が「埋葬費」として支給されます。また、扶養されていた家族が亡くなった場合は「家族埋葬料」が支給されます。
請求の期限は2年で、埋葬料は亡くなった日の翌日から、埋葬費は埋葬を行った日の翌日から数えます。
亡くなる前の入院などで医療費が高額になり、自己負担の上限を超えて支払っていた場合は、超えた分が「高額療養費」として払い戻されることがあります。
亡くなった方に支給されるはずだった高額療養費は、相続人などが請求できる場合があります。協会けんぽでは相続人が請求し、期限は診療を受けた月の翌月1日から2年です。請求方法や必要書類は、加入していた健康保険によって異なります。
年金を受け取っていた方が亡くなった場合、亡くなった月の分までの年金で、まだ受け取っていない分があります。これを「未支給年金」といい、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が受け取れます。
受け取れる遺族には順位があり、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族の順です。請求する権利は原則として5年で時効になります。数え始めは亡くなった日ではなく、亡くなった方の年金の支払日の翌月の初日です。
亡くなった方によって生計を維持されていた遺族は、「遺族年金」を受け取れる場合があります。
受け取れるかどうかや金額は、亡くなった方の加入状況と遺族の状況によって大きく異なります。期限は原則として5年です。
国民年金の第1号被保険者(自営業の方など)として保険料を納めた期間と免除期間などが合計10年以上ある夫が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けずに亡くなった場合に、一定の条件を満たす妻が受け取れる年金です。
妻が受け取るには、夫と10年以上続けて婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり、夫に生計を維持されていたことなどが条件です。妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合は対象になりません。支給されるのは、妻が60歳から65歳になるまでの間です。寡婦年金にも時効があるため、対象になる可能性がある場合は、早めに年金事務所に確認しましょう。
国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が36か月以上ある方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らずに亡くなった場合に、生計を同じくしていた遺族が受け取れる一時金です。
金額は、保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円です。付加保険料を36か月以上納めていた場合は、8,500円が加算されます。期限は亡くなった日の翌日から2年です。
なお、遺族基礎年金を受け取れる場合は、原則として死亡一時金は支給されません。また、寡婦年金と死亡一時金の両方を受け取れる場合は、どちらか一方を選びます。
年金の請求書の作成や提出の代行は、社会保険労務士の業務です。手続きの相談は、年金事務所や社会保険労務士にご相談ください。
亡くなった直後の手続きは「家族が亡くなったら最初の7日間にやること」で、相続の期限の全体像は「相続手続きの期限一覧」で整理しています。
大切な方を亡くされた直後は、こうしたお金のことまで気が回らないのが当然です。遥か行政書士事務所は、相続手続きの全体を整理するなかで、受け取れるお金の手続きに見落としがないよう、必要な窓口や専門家もご案内します。
参考(法令・公的機関の情報)
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