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育成就労

送出機関とは?技能実習・育成就労・特定技能での違いと費用の上限

公開日:2026年10月17日更新日:2026年10月30日 執筆:(遥か行政書士事務所)
送出機関は、外国人の母国で日本で働きたい人を集め、日本の受け入れ先につなぐ機関です。技能実習と育成就労では、監理団体や監理支援機関を通して受け入れる場合、送出機関を通すのが基本です。特定技能では、日本の制度として送出機関は求められていませんが、国によっては本国の手続きとして送出機関の利用が必要になります。

外国人を海外から受け入れようとすると、「送出機関」という言葉をよく目にします。ただ、送出機関がどんな機関なのか、どの制度で必要になるのかは、意外と整理されていません。

この記事では、送出機関とは何か、技能実習・育成就労・特定技能のそれぞれで送出機関が必要かどうか、2027年4月に始まる育成就労で設けられる費用の上限を説明します。

送出機関とは

送出機関は、外国人の母国で、日本で働きたい人を集め、日本の受け入れ先につなぐ機関です。主に次のような役割を担います。

送出機関は外国の機関で、送出国の法令に従って事業を行うことが求められます。日本の機関ではないため、日本の受け入れ企業が直接その運営をチェックすることは難しいという面があります。

送出機関が問題になってきた理由

技能実習では、送出機関や仲介業者(送出機関とは別に、候補者を送出機関に紹介する個人や業者。いわゆるブローカー)に高額な手数料を払うために、借金をして来日する人が少なくありませんでした。借金を返すために、条件の悪い職場でも働き続けるしかない状況が生まれやすく、国内外から問題を指摘されてきました。経緯は技能実習はなぜ育成就労に変わるのか?で説明しています。

こうした背景から、日本は送出国の政府と協力して、悪質な送出機関を排除する取り組みを進めています。

二国間取決めと認定送出機関

送出機関について知るうえで欠かせないのが、「二国間取決め」と「認定送出機関」です。

二国間取決めは、技能実習、育成就労、特定技能のそれぞれで、別々に作成されています。そのため、「技能実習の取決めはあるが、育成就労の取決めはまだない」といったように、制度ごとに状況が違うことがあります。

技能実習と育成就労の認定送出機関の一覧は、外国人技能実習機構のウェブサイトで確認できます。特定技能については、出入国在留管理庁のウェブサイトで国ごとの手続きが案内されており、認定送出機関の情報が掲載されている国もあります。

制度ごとの送出機関の扱い

技能実習・育成就労・特定技能で、送出機関の扱いを比べると、次のようになります。なお、技能実習は2027年4月1日から育成就労に変わります(施行日の時点で実習中の人は、そのまま技能実習を続けられます)。

技能実習(団体監理型) 育成就労(監理型) 特定技能
送出機関を通すか 外国の送出機関が申込みを監理団体に取り次ぐのが基本 送出機関を通して受け入れる 日本の制度としては求められていない(国によっては本国の手続きで必要)
受け入れられる国 原則として、どの国の人でも受け入れられる 原則として、育成就労の二国間取決めを作成した国の人 原則として、どの国の人でも受け入れられる(一部の国を除く)
送出機関の条件 二国間取決めを作成した国は認定送出機関、それ以外の国は公的機関の推薦を受けた機関 認定送出機関 国ごとの手続きによる
外国人が支払う費用の上限 日本の制度としての上限額の定めはない 所定内賃金の2か月分 日本の制度としての上限額の定めはない

以下、制度ごとに説明します。

技能実習の場合

技能実習の団体監理型(監理団体を通して受け入れる形)では、外国の送出機関が、技能実習の申込みを日本の監理団体に取り次ぐのが基本です。

外国人技能実習機構は、監理団体が送出機関を選ぶときのポイントとして、二国間取決めを作成した国では認定送出機関であることを、取決めのない国では所在国の公的機関から推薦状を受けていることを確認するよう案内しています。

送出機関の主な要件には、次のようなものがあります。

一方で、技能実習では、外国人が送出機関に支払う費用について、日本の制度としての上限額は定められていません。この点が、育成就労で大きく変わります。

育成就労の場合

2027年4月1日に始まる育成就労では、送出機関に関するルールが、技能実習よりはっきりと厳しくなります。

原則として二国間取決めを作成した国から受け入れる

育成就労では、悪質な送出機関の排除を強めるため、原則として、育成就労の二国間取決めを作成した国からのみ受け入れることになっています。監理型(監理支援機関を通して受け入れる形)では、その国の政府が認定した送出機関を通して受け入れます。

外国人技能実習機構のウェブサイトでは、育成就労の外国政府認定送出機関の一覧が国ごとに掲載されています。二国間取決めの作成に向けて協議中の国については、認定が見込まれる送出機関をまとめた「暫定リスト」が公表されています。

暫定リストに載っている送出機関と契約する場合でも、監理支援機関の許可の申請(施行日前の申請)はできます。ただし、実際に許可を受けるには、その送出機関が正式な認定リストに載っている必要があり、暫定リストにしか載っていない送出機関と契約している場合は、許可を受けられません。

なお、受け入れ企業が海外の支店や子会社の職員を受け入れる「単独型」は、送出機関を通さない受け入れ方です。資本関係のない海外の取引先の職員を受け入れる場合は、所定の要件を満たせば、単独型ではなく監理型(取引のうえで密接な関係がある形)になります。

送出機関に支払う費用の上限

育成就労では、外国人が送出機関に支払う費用は、所定内賃金(残業代などを除いた月給)の2か月分を超えてはならないとされています。この「月給」は、働き始めたとき(1年目)の所定内賃金の月額です。

たとえば、1年目の所定内賃金が月20万円の場合、外国人が送出機関に支払える費用は、合計で40万円までです。

これは、送出機関が外国人本人から取る費用(手数料など)の合計についての上限です。送出機関を通さずに本人が自分で払う費用まで含めた、来日にかかるすべての支出の上限ではありません。

上限を超える費用は、外国人本人やその家族から取ることはできず、育成就労実施者(受け入れ企業)または監理支援機関が負担することになります。そのため、受け入れ企業は、送出機関が本人からどんな費用をいくら取るのかをあらかじめ確認し、上限を超える部分を受け入れ企業と監理支援機関のどちらが負担するのかも、事前に取り決めておくことが大切です。

また、2か月分はあくまで上限です。国の資料では、本人の負担は可能な限りゼロに近いことが望ましいとされています。

送出機関に求められること

育成就労の送出機関には、主に次のようなことが求められます。

最後の点は、受け入れる側にも関わります。送出機関は、受け入れ企業や監理支援機関に、過剰な接待や金品を提供してはいけません。また、監理支援機関が送出機関からキックバックを受け取ったり、要求したりすることも禁止されています。

特定技能の場合

特定技能では、日本の制度として、送出機関を通すことは求められていません。また、受け入れられる国も原則として限られていません。ただし、退去強制(強制送還)の手続きに協力しない国として告示で定められた国(イラン)の人は、受け入れの対象になりません。出入国在留管理庁も、海外からの採用の方法として、海外の現地法人や、海外にネットワークを持つ業界団体を通じて探すほか、公的な職業紹介機関や民間の職業紹介所を介する方法も挙げています。

ただし、国によっては、本国の手続きとして、送出機関の利用が必要になることがあります。

国によって必要な手続きが違う

日本は、特定技能について、17か国と二国間の協力覚書を作成しています(2026年10月時点で出入国在留管理庁のページに掲載されている国の数)。出入国在留管理庁のウェブサイトでは、このうち多くの国について、本国での許可など、送出手続きを含む手続き全体の流れが国ごとに案内されています。

送出機関について、出入国在留管理庁の国別の資料では、海外から新たに受け入れる場合について、たとえば次のように案内されています。

国 送出機関の扱い(海外から新たに受け入れる場合)
ベトナム ベトナム政府が認定した送出機関と「労働者提供契約」を結ぶことが求められる
フィリピン フィリピン政府の認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、募集取決めを結ぶことが求められる
カンボジア、ミャンマー その国の政府の認定を受けた送出機関を通じて、人材の紹介や雇用契約の締結を行うことが求められる
モンゴル 政府機関である労働福祉サービス庁(英語では The General Office for Labour and Welfare Services、略して GOLWS)を通じた手続きが必要。モンゴル政府が認定する唯一の送出機関とされている
ラオス ラオス政府が認定した送出機関を通じる必要がある
タイ、バングラデシュ 利用は任意。利用する場合は、その国の政府が認定した送出機関などを通じる方法が示されている
インドネシア、パキスタン、キルギス 利用は任意(会社が直接採用することもできる)

上の表は一部の国の例で、出入国在留管理庁の国別の資料をもとにしています。手続きは随時変わるため、実際に受け入れるときは、出入国在留管理庁の「特定技能に関する二国間の協力覚書」のページで、その国の最新の手続きを確認してください。

日本にいる外国人を雇う場合も本国の手続きが必要なことがある

すでに日本に住んでいる外国人(留学生や技能実習生など)を特定技能で雇う場合でも、国によっては本国の手続きが必要です。

たとえば、ベトナム人を雇う場合は、日本にいる人でも、駐日ベトナム大使館で「推薦者表」の承認を受け、在留資格の変更の申請の際に提出する必要があります。フィリピン人の場合も、特定技能の在留資格のまま一時帰国するときに、フィリピン側の手続き(海外雇用許可証の取得など)が必要とされています。

一方で、カンボジアやミャンマーのように、日本にいる人を雇う場合は、送出機関を通さずに会社が直接採用活動をできるとされている国もあります。ただし、カンボジアの場合は、直接採用したときでも、本国の登録証明書の申請は認定送出機関を通じて行う必要があるとされています。海外から受け入れる場合と、日本にいる人を雇う場合とで手続きが違うことがあるため、国ごとの案内を確認してください。

保証金や違約金の契約は認められない

特定技能でも、外国人やその家族が、保証金を取られたり、違約金を定めた契約を結ばされたりすることは認められていません。特定技能1号の外国人に対する事前ガイダンスでも、こうした行為が違法であることを伝えることになっています。送出機関や仲介業者を使う場合は、本人がどのような契約を結んでいるかにも注意が必要です。

受け入れ企業が確認したいこと

送出機関は外国の機関ですが、送出機関の選び方や費用の取り方は、受け入れる外国人の生活や、受け入れ企業の責任に直接関わります。送出機関と関わるときは、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

  1. 認定送出機関かどうか:育成就労では、その国の認定リスト(暫定ではなく正式なもの)に載っているか
  2. 本人が支払う費用の内訳:何にいくらかかるのか、育成就労では所定内賃金の2か月分を超えていないか
  3. 保証金・違約金の有無:本人やその家族が、保証金を取られたり、違約金を定めた契約を結ばされたりしていないか
  4. 来日前の教育の内容:日本語の到達レベルや、教える内容と期間
  5. 国ごとの本国の手続き:特定技能では、送出機関の利用が必要な国かどうか、本国でどんな手続きが必要か

送出機関を通して受け入れるときは、費用や手続きが外国人本人の負担になっていないかを確かめることが大切です。遥か行政書士事務所は、国ごとに必要な手続きの確認や、在留資格の申請書類の作成など、手続きの面からサポートします。必要に応じて、外国人材の能力の見極めや、受け入れ後の育成、職場でのコミュニケーションを支援する会社をご紹介することもできます。料金の目安は料金のご案内をご覧ください。この記事の下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。

まとめ


参考

最終確認日:2026年10月17日

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