特定技能
特定技能について調べると、「1号」「2号」という言葉が出てきます。 ひとことで言えば、1号は「一定の技能を身につけ、現場ですぐに働ける人」、2号は「熟練した技能を持ち、現場を任せられるベテラン」のための在留資格です。
受け入れ直後は1号のことだけ考えがちですが、1号のままでは日本にいられる期間に上限があります。せっかく仕事を覚えてくれた人に長く働いてもらえるかどうかは、2号に進めるかどうかで大きく変わります。
この記事では、特定技能1号と2号の違いを、受け入れる会社の立場から整理します。
特定技能(英語では「Specified Skilled Worker」、略して「SSW」)は、人手不足が深刻な分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人を即戦力として受け入れるための在留資格です。2019年に始まりました。
2027年4月1日からは、技能実習に代わって「育成就労」制度が始まります。ただし、なくなるのは技能実習で、特定技能はこれからも続きます。育成就労は、特定技能1号の水準の人材を育てることを目的とした制度で、育成就労で育った人が特定技能1号に進む、という流れになります。
| 段階 | 在留資格 | どんな人のための在留資格か |
|---|---|---|
| 育てる段階 | 育成就労(今の技能実習) | 日本で働きながら、技能を一から身につけていく人 |
| 即戦力の段階 | 特定技能1号 | 一定の技能を身につけ、現場ですぐに働ける人 |
| 熟練の段階 | 特定技能2号 | 熟練した技能を持ち、現場を任せられるベテラン |
なお、必ず育てる段階から上る必要はなく、試験に合格すれば、海外からはじめから特定技能1号で来日することもできます。
特定技能1号は、特定の分野で、相当程度の知識や経験を必要とする仕事をするための在留資格です。
特定技能2号は、特定の分野で、熟練した技能を必要とする仕事をするための在留資格です。
1号の在留期間は、原則として通算5年が上限です。転職しても期間はリセットされず、仕事をしていない期間や、再入国許可で一時的に出国していた期間も含めて数えられます。ただし、産前産後休業・育児休業の期間や、病気・けがによる一定の休業期間は、申請して認められれば数えられません。
2号に進むための試験に挑戦したものの、わずかに届かなかった人には特例があります。出入国在留管理庁によると、2号への移行に必要な試験で合格基準点の8割以上を取っていることなど、一定の要件を満たせば、通算在留期間の上限が6年になります。ただし、対象になる試験は分野ごとに指定されていて、まだ対象になっていない試験もあります。使えるかどうかは、分野ごとに確認が必要です。
この特例を使うには、本人が「引き続き試験に挑戦し、合格したらすぐに2号への変更を申請し、合格できなければ帰国する」ことを誓約するほか、会社にも、引き続き雇用する意思があることや、合格に向けた指導・研修などの体制があることが求められます。
| 特定技能1号 | 特定技能2号 | |
|---|---|---|
| 技能の水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 日本語の試験 | あり(技能実習2号修了者は免除) | 原則なし |
| 在留期間 | 通算5年まで | 更新の上限なし |
| 家族を呼べるか | 基本的に不可 | 要件を満たせば配偶者・子を呼べる |
| 会社による支援 | 必要 | 不要 |
| 永住の「就労資格で5年」に数えられるか | 数えられない | 数えられる |
特定技能では、受け入れの対象となる分野が決められています。2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野が新たに加わり、対象は全部で19分野になりました。このうちリネンサプライは、2026年6月から受け入れが始まっています。物流倉庫と資源循環は、受け入れの準備が進められている段階です。
次の表は、2026年10月時点で受け入れが始まっている17分野を整理したものです。1号では対象となっていても、2号では対象となっていない分野もあります。
| 分野 | 1号 | 2号 |
|---|---|---|
| 介護 | ○ | ― |
| ビルクリーニング | ○ | ○ |
| リネンサプライ | ○ | ― |
| 工業製品製造業 | ○ | ○ |
| 建設 | ○ | ○ |
| 造船・舶用工業 | ○ | ○ |
| 自動車整備 | ○ | ○ |
| 航空 | ○ | ○ |
| 宿泊 | ○ | ○ |
| 自動車運送業 | ○ | ― |
| 鉄道 | ○ | ― |
| 農業 | ○ | ○ |
| 漁業 | ○ | ○ |
| 飲食料品製造業 | ○ | ○ |
| 外食業 | ○ | ○ |
| 林業 | ○ | ― |
| 木材産業 | ○ | ― |
介護分野では、介護福祉士の資格を取るなど要件を満たせば、在留資格「介護」に変更して、長く日本で働くことができます。一方、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライには、在留資格「介護」にあたるような専用の在留資格はありません。新しく加わった物流倉庫と資源循環も、今のところ2号の対象ではありません。
これらの分野で、1号の通算在留期間の上限に達したあとも日本で働き続けるには、本人の学歴や職歴、実際に行う仕事の内容に応じて、ほかの在留資格に変更できるかを個別に検討する必要があります。ただし、たとえば技人国は専門的な知識を使う仕事のための在留資格なので、トラックの運転や林業の現場作業をそのまま続けるために使うことはできません。
外国人が永住許可を受けるには、原則として引き続き(途中で途切れることなく、続けてという意味です)10年以上日本に住み、そのうち就労資格か居住資格で引き続き5年以上住んでいることが必要です。
出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」では、この「就労資格で5年」の期間から、技能実習(育成就労の期間も同じ)と特定技能1号の期間は除かれています。一方、特定技能2号の期間は除かれていません。
つまり、1号の期間は永住の要件の「就労資格で5年」には数えられず、2号に進んでから数えられることになります。永住を目指したい外国人にとって、2号に進めるかどうかは大きな意味を持ちます。
なお、これは永住許可の要件の一つにすぎません。収入や納税、年金・医療保険料の納付状況なども審査されます。永住許可のガイドラインは2026年10月1日に改定されました。新しいガイドラインは原則として2027年4月1日以降の申請に適用されますが、収入に関する一部の規定は、それ以前の申請にも適用されます。
1号の外国人にとって、「2号に進めるか」は、その会社で働き続けるかどうかを決める大きな理由になります。2号への道が見えない職場では、ほかの分野や会社への転職を考える人も出てきます。
会社としては、次のような準備が考えられます。
外国人に長く働いてもらうには、1号の間から2号を見すえて準備しておくことが大切です。遥か行政書士事務所は、1号から2号への在留資格の変更や、通算在留期間の確認など、手続きの面からサポートします。料金の目安は料金のご案内をご覧ください。この記事の下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。
参考
最終確認日:2026年10月13日
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