特定技能
特定技能の外国人の受け入れを考え始めると、「登録支援機関」という言葉をよく目にします。ただ、「支援は登録支援機関に任せれば大丈夫」と聞いても、何をどこまで任せられるのかは分かりにくいものです。
この記事では、登録支援機関とは何か、受け入れる会社が自分で支援する場合と何が違うのかを説明します。
特定技能1号の外国人を受け入れる会社(特定技能所属機関)には、その外国人が日本で安定して働き、暮らせるように支援をする義務があります。会社は「1号特定技能外国人支援計画」を作り、その計画に沿って支援を行います。
出入国在留管理庁は、必ず行わなければならない支援(義務的支援)として、次の10項目を挙げています。
繰り返しになりますが、支援が必要なのは特定技能1号の外国人のみです。
登録支援機関とは、受け入れる会社から委託を受けて、この支援を行う機関です。
委託を受けた登録支援機関が、その支援をさらに別の機関に委託することは認められていません。
支援は、受け入れる会社が自分で行うこともできます(いわゆる「自社支援」)。ただし、自社で支援するには、たとえば次のどれかにあてはまる必要があります。
これに加えて、会社の中から支援責任者と支援担当者を選ぶことや、外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制を整えることなど、ほかの基準も満たす必要があります。
| 自社で支援する | 登録支援機関に全部委託する | |
|---|---|---|
| 支援をする人 | 自社の支援責任者・支援担当者 | 登録支援機関 |
| 必要な実績・体制 | 上の実績や経験などが必要 | 支援体制の基準は満たしているものとみなされる |
| 費用 | 社内の人件費など | 登録支援機関への委託料(会社が負担) |
| 向いている会社 | 外国人の受け入れに慣れていて、社内に対応できる人がいる | 初めて特定技能の外国人を受け入れる |
支援計画の全部を登録支援機関に委託すると、支援の体制に関する基準に適合しているものとみなされます。初めて外国人を受け入れる会社が登録支援機関を使うことが多いのは、このためです。
国の有識者会議の資料によると、2023年4月末時点で、特定技能1号の外国人のうち88.4%(142,623人)が登録支援機関から支援を受けていました(速報値)。会社の数ではなく外国人の人数の割合ですが、多くの受け入れで登録支援機関が使われていることが分かります。
支援の一部だけを委託することもできます。ただし、支援体制の基準を満たしているとみなされるのは、全部を委託した場合だけです。一部だけを委託する場合は、会社自身も支援体制の基準を満たす必要があります。
義務的支援にかかる費用は、直接にも間接にも、外国人本人に負担させることはできません。登録支援機関への委託料は、受け入れる会社が負担します。
委託料の金額について、法令上の上限はありません。契約を結ぶときに、費用をはっきり示してもらうことが大切です。
登録支援機関に任せられるのは、あくまで「支援」です。
登録支援機関が、受け入れ企業などから依頼を受け、報酬を得て入管への申請書類を作成することは、行政書士法に違反するおそれがあります。申請取次の承認を受けていても、報酬を得て書類を作成してよいことにはなりません。2026年1月1日に施行された改正行政書士法で、このことが条文上はっきりしました。詳しくは、登録支援機関に申請書類の作成を頼んでいい?2026年1月施行の行政書士法改正で変わったことで説明しています。
また、支援を委託しても、外国人を受け入れているのは会社です。雇用契約や給料の支払い、会社が出す届出の責任は、会社に残ります。
出入国在留管理庁は、2027年(令和9年)4月1日から、1号特定技能外国人への支援体制の要件を改正すると公表しています。現在はまだ適用されていませんが、主な内容は次のとおりです。
また、登録支援機関には、支援担当者1人あたりで受けられる会社の数と、支援できる外国人の数に上限ができます。
これから委託する登録支援機関や、今契約している登録支援機関が、2027年4月以降も十分な担当者を確保できるかどうか、一度確認しておくと安心です。改正の内容と、何人の支援担当者が必要になるかの計算例は、登録支援機関の要件は2027年4月からどう変わる?で説明しています。
なお、2027年4月1日からは、技能実習に代わる「育成就労」制度も始まり、「監理支援機関」という仕組みが置かれます。名前は似ていますが、登録支援機関は特定技能の仕組み、監理支援機関は育成就労の仕組みで、別のものです。
大切なのは、受け入れ企業と登録支援機関が役割を分担し、外国人本人が安心して働ける形をつくることです。支援を自社で行うか、登録支援機関に任せるか迷っている場合は、遥か行政書士事務所が受け入れの計画や社内の体制をうかがったうえで、在留資格の手続きの面から一緒に整理します。料金の目安は料金のご案内をご覧ください。この記事の下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。
参考
最終確認日:2026年10月13日
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