在留資格の基礎
外国人を雇うとき、最初に必ず行うのが在留カードの確認です。在留カードには、その人が日本で何をして暮らせるのか、働けるのかどうかが書かれています。
確認を怠って、働く資格のない外国人を雇ってしまうと、外国人本人だけでなく、雇った会社や担当者も処罰されることがあります。
この記事では、雇う前に在留カードのどこを見ればよいのか、確認しなかった場合にどうなるのかを説明します。
出入国在留管理庁は、不法就労を次の3つのパターンに分けて説明しています。
| パターン | 例 |
|---|---|
| 不法滞在者や、退去強制が決まっている人が働く | 在留期限が切れたまま日本にいる人が働く |
| 働く資格がないのに、許可を受けずに働く | 観光などの短期滞在で来日した人が働く、資格外活動許可のない留学生が働く |
| 認められた範囲を超えて働く | 外国料理のコックとして認められた人が工場で作業する、留学生が週28時間を超えて働く |
不法滞在者が働く場合は分かりやすいですが、気をつけたいのは「認められた範囲を超えて働く」場合です。在留カードを持っていて、働くことが認められている人でも、任せる仕事が在留資格で認められた範囲を外れていれば不法就労になります。たとえば技人国で働く人に、工場のライン作業を中心に任せることはできません。
外国人に不法就労をさせたり、不法就労をあっせんしたりした人は、「不法就労助長罪」に問われます。会社として雇った場合は、会社だけでなく、採用を担当した人なども対象になり得ます。
| 罰則 | |
|---|---|
| 現在 | 3年以下の拘禁刑、もしくは300万円以下の罰金、またはその両方 |
| 2027年4月1日から | 5年以下の拘禁刑、もしくは500万円以下の罰金、またはその両方 |
罰則の引き上げは、育成就労を作った改正法に含まれていて、育成就労が始まる2027年4月1日から適用されます。
そして大切なのが、次の点です。
外国人を雇用しようとする際に、当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れません。
つまり、「働けない人だとは知らなかった」は、在留カードをきちんと確認していなければ通用しません。
在留カードは、必ず実物を見せてもらって確認します。コピーや写真だけで済ませるのは避けましょう。
表面では、まず次の3つを確認します。
「就労制限の有無」の欄には、次の4つのどれかが書かれています。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 就労制限なし | 仕事の内容に制限はない(永住者、日本人の配偶者等など) |
| 在留資格に基づく就労活動のみ可 | その在留資格で認められた仕事だけができる(技人国など) |
| 指定書により指定された就労活動のみ可 | パスポートに付いている「指定書」で決められた仕事だけができる(主に特定活動)。指定書の内容も確認する |
| 就労不可 | 原則として働けない(留学、家族滞在など)。裏面の資格外活動許可を確認する |
なお、特定技能と特定活動の人には「指定書」が交付され、働ける会社や分野、仕事の内容などが決められています。表示にかかわらず、指定書の内容も必ず確認しましょう。
表面に「就労不可」や「在留資格に基づく就労活動のみ可」と書かれている人でも、資格外活動許可を受けていれば、許可された範囲で働ける場合があります。留学生のアルバイトがその代表的な例です。
よくあるのは「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」という記載です。この場合、働けるのはすべてのアルバイトを合わせて週28時間以内です。ほかの店でもアルバイトをしている場合は、その時間も合わせて数えるので、本人に確認しておく必要があります。なお、留学生には学校の長期休業期間中の特例があるため、勤務時間を確認するときは、通常の授業期間か長期休業期間かも確認しましょう。
また、「資格外活動許可書に記載された範囲内の活動」と書かれている場合は、在留カードだけでなく、資格外活動許可書の内容も確認します。
在留期間の更新や在留資格の変更を窓口で申請すると、在留カードの裏面に「申請中」と記載されます。一方、オンラインで申請した場合は、申請受付番号が書かれた「受付完了メール」が、申請中であることの証明になります。オンラインで申請した人には、在留カードとあわせてこのメールを見せてもらいます。
在留期限が近い人や、表面の満了日を過ぎている人の場合は、申請中かどうかを確認します。在留期間が30日を超えていて、在留期限までに更新や変更の申請をしている人は、審査の結果が出るまで、最長で在留期限から2か月間、それまでの在留資格のまま日本にいることができます(「特例期間」といいます)。
ただし、特例期間中に働けるのは、それまでの在留資格で認められた範囲だけです。たとえば、留学生が技人国への変更を申請している間に、技人国の社員として働き始めることはできません。また、特例期間を過ぎても結果が出ていない、または不許可になった場合は、そのままでは働けません。
2026年6月14日から、新しい様式の在留カードと、マイナンバーカードの機能を持つ「特定在留カード」の交付が始まりました。それより前に交付された旧様式のカードも使われているので、見た目が違うというだけで偽造と判断しないようにしましょう。
新しい様式のカードでは、「在留期間」(5年、1年などの期間の長さ)、「許可の種類」、「許可年月日」、「交付年月日」が券面に書かれなくなりました。在留期間の満了日は、引き続き券面に書かれています。在留期間などは、2026年8月19日に改修された読取アプリで確認できます。
在留カードの偽造は、残念ながら実際に起きています。出入国在留管理庁は、次のような確認方法を案内しています。
読取アプリでの確認は、手間もかからないので、雇うときには必ず行うことをおすすめします。偽造が疑われる場合は、最寄りの地方出入国在留管理局に相談してください。
外国人を雇ったとき、また外国人が辞めたときは、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」をする必要があります。特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の人を除き、アルバイトを含むすべての外国人が対象です。
| 雇い入れたとき | 辞めたとき | |
|---|---|---|
| 雇用保険に加入する人 | 翌月10日まで | 辞めた日の翌日から10日以内 |
| 雇用保険に加入しない人 | 翌月の末日まで | 翌月の末日まで |
雇用保険に加入する人は、雇用保険の資格取得届・喪失届に在留資格や在留期間、国籍などを書くことで、届出をしたことになります。
届出をしなかったり、うその届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。
不法就労を防ぐために大切なのは、雇う前の確認です。遥か行政書士事務所は、雇おうとしている外国人の在留資格で、任せたい仕事ができるかの確認など、手続きの面からサポートします。料金の目安は料金のご案内をご覧ください。この記事の下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。
参考
最終確認日:2026年10月22日
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