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生前対策・終活

終活の第一歩|残される家族のために、元気なうちにできること

公開日:2026年11月3日 執筆:(遥か行政書士事務所)
終活の第一歩は、自分の財産や契約を書き出し、家族に伝えることです。そのうえで、財産の行き先を決める遺言書、判断能力が衰えたときに備える任意後見契約、亡くなった後の手続きを頼む死後事務委任契約など、必要な備えを選びます。判断能力が低下すると希望どおりの準備が難しくなることがあるため、元気なうちに少しずつ準備しておくことが、将来の自分と残される家族の負担を減らします。

人が亡くなると、残された家族は多くの手続きと向き合うことになります。どこに口座があるのか、どんな契約をしていたのか、本人がどうしてほしかったのか。分からないことが多いほど、家族の負担は大きくなります。

「終活」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、難しいことから始める必要はありません。この記事では、残される家族のために、元気なうちにできることを順番に整理します。

なぜ「元気なうち」に始めるのか

遺言書や任意後見契約などは、内容を理解して判断できるうちに準備しておくことが大切です。認知症になったからといって、必ず遺言書を作れなくなるわけではありませんが、判断能力が低下すると、希望どおりの準備が難しくなることがあります。

また、手続きの多くは、本人にしか分からない情報が出発点になります。本人が元気なうちに準備しておくことが、家族にとって一番の助けになります。

1. まずは財産と契約を書き出す

最初の一歩は、自分が何を持っていて、どんな契約をしているかを書き出すことです。

亡くなった後、家族が財産を一から調べるのは大変な作業です。一覧があるだけで、財産目録づくりや相続の手続きがぐっと楽になります。借金の有無が分かっていれば、家族が相続放棄をするかどうかも判断しやすくなります。

パスワードなどの大切な情報は、書いた紙をどこに保管しているかを家族に伝えておく、信頼できる人にだけ分かるようにしておくなど、管理の方法にも気をつけましょう。

2. 財産の行き先を決める:遺言書

誰に何を残すかを決めておきたい場合は、遺言書を作ります。遺言書がない場合、法定相続分を目安に、相続人同士で財産の分け方を話し合う必要が生じることがあります。話し合いで分け方を決めた場合は、遺産分割協議書を作成することもあり、家族の負担になる場合があります。

特に、次のような場合は遺言書を作っておくと安心です。

遺言の内容を実際に手続きする遺言執行者を、遺言で指定しておくこともできます。

3. 判断能力が衰えたときに備える:任意後見契約

認知症などで判断能力が衰えると、自分で預貯金をおろしたり、施設の契約をしたりすることが難しくなります。

任意後見契約は、判断能力があるうちに、将来支援してもらう人と任せる内容を自分で決めておく契約です。公正証書で結び、判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選ぶと効力が生じます。

任意後見契約を結んでいない場合でも、必要に応じて家庭裁判所に法定後見を申し立てることができます。法定後見では支援する人の候補者を希望できますが、最終的に選ぶのは家庭裁判所です。成年後見制度は2026年に法改正が成立しましたが、新しい制度はまだ始まっていません。

4. 亡くなった後の手続きを頼む:死後事務委任契約

葬儀や火葬、役所の手続き、公共料金の解約、部屋の片付けなど、亡くなった後の事務を誰かに頼んでおく契約が**死後事務委任契約**です。

身近に頼れる家族がいない方や、家族に負担をかけたくない方に向いています。契約する際は、頼む内容だけでなく、費用の準備や、実際に手続きを進める方法まで決めておくことが大切です。

5. 不動産の名義を整えておく

不動産は、名義の問題が後から見つかることが多い財産です。元気なうちに、登記簿を一度確認しておきましょう。

相続登記と住所変更登記は、義務化より前に起きた相続や住所の変更にも、期限の猶予が設けられています。

名義を整えておくと、将来の相続の手続きがずっと楽になります。

エンディングノートと遺言書の違い

終活の道具として、エンディングノートを使う方も多いと思います。エンディングノートは、財産の一覧や、葬儀の希望、家族へのメッセージなどを自由に書いておけるノートで、気軽に始められるのが良いところです。

ただし、エンディングノートは、原則として遺言書の代わりにはなりません。「この財産は長男に」と書いても、それだけで長男に財産を相続させる効力が生じるわけではありません。財産の行き先を法的に決めたい場合は、法律で決められた方式に従って遺言書を作る必要があります。

エンディングノートで考えを整理し、大切なことは遺言書や契約で形にする、という使い分けがおすすめです。

何より大切なのは、家族と話しておくこと

どれだけ書類を整えても、家族が知らなければ使われません。

こうしたことを、元気なうちに家族と話しておくことが、何よりの備えになります。いきなり全部を話す必要はありません。年末年始やお盆など、家族が集まる機会に少しずつ話してみてはいかがでしょうか。

行政書士に相談できること

行政書士は、遺言書の文案作成、公正証書遺言の証人、任意後見契約や死後事務委任契約の文案作成など、終活の準備をお手伝いできます。何から始めればよいか分からないという段階から、ご本人のご希望を伺って、必要な備えを一緒に整理します。

相続登記などの登記は司法書士、相続税の対策は税理士と連携して進めます。行政書士に頼めることは「相続手続き、行政書士に頼めること・頼めないこと」で整理しています。

終活は、残される家族のためだけでなく、これからの自分の暮らしを安心して続けるための準備でもあります。遥か行政書士事務所は、何から始めればよいか分からないという段階から、財産や契約の整理、遺言書・任意後見契約・死後事務委任契約の準備まで、ご本人の希望に合わせてお手伝いします。


参考(法令・公的機関の情報)

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本記事は2026年11月3日時点の情報に基づいています。最新の運用状況は、関係省庁の公表情報をご確認ください。
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